昨年10月の買い付けで、パリのクリニアンクールマーケットを端からずっとアンティークジュエリーを見て廻りましたが中々お気に入りのジュエリーを見つける事が出来ないのにそろそろマーケットが終わりに近づいて来て困ったなー、と思っていると、何時もはダイヤモンドリング、ブローチを主に扱うティーラーのケースの中に居るブラックムーアカメオブローチが目に飛び込んで来ました。
ブラックムーアカメオブローチは最低でも数百万円といった異常な価格で販売されていますのでおいそれとは気軽に見せて貰えないのですが、せっかくですから見せて頂きましょうと気合を入れて『このブラックムーアカメオブローチを見せて下さい』とお願いすると、『どうぞご覧ください』とケースから出してくれました。フレームは少し淡い金色のリボンで囲まれて、正にブラックムーアカメオブローチです。
良く見かけるブラックムーアブローチはカメオの顔や髪の上にゴージャスなダイヤモンドやルビー等の装飾品が華美に飾られている姿が多いのですが、これは一粒のダイヤモンドピアスとシンプルなガーネットネックレスにゴールドの髪飾りだけ、という控えめで上品な姿で、その横顔は意思をしっかり持った知的な女性に見えます。
最後に恐る恐る値段を聞いてみると帰って来た答えにビックリしました。
予想の数字からゼロを1つ取った位の金額だったのです。
『何でそういう価格なんですか?』と聞くと、
『フレームはゴールドではなくてメタルに金メッキ。カメオはメノウではなくガラスなのです。』
というお答えでした。
確かにキラキラと輝くゴールドフレームでないのは感づいていましたけれども、カメオは正にブラックムーアカメオです。
でもこれでこの価格ならば満足できると思い買う決断をした次第です。
是非青山店でご覧くださいませ。
お待ち申し上げます。
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